一般財団法人 糧食研究会
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第49回理事・評議員会及び平成18年度の研究成果報告会を開催
(財)糧食研究会は2007年6月29日、港区の品川プリンスホテルメインタワーにて第49回理事・評議員会を開催しました。会議では平成18年度の事業報告・収支決算と平成19年度の事業計画・収支予算などが議決・承認され、(財)糧食研究会の事業が順調に進んでいることが確認されました。
理事・評議員会の後、特別講演会と平成18年度の研究成果報告会が開催されました。

今回の特別講演は、作年10月中国・上海で開催されたIDFワールドデイリーサミットにおいてIDF賞(IDF AWARD)を受賞された当財団の会長である上野川教授にお願いしました。この賞はIDF(国際酪農連盟:International Dairy Federation)が1998年に制定し、世界の酪農・乳業の発展に学術上の優れた実績を通して寄与した個人に贈られる賞で、毎年1〜2名の受賞者が決定されます。今回の受賞は、食物アレルギーのメカニズム解明や腸管免疫とプロバイオティクスの関係などの長年にわたるこれまでの上野川会長の研究成果と酪農科学分野における教育者としての功績が評価されたものです。 IDF賞受賞記念講演


上野川会長の1996年(昭和41年)からの業績及び乳業科学、製造技術への貢献は大きく次の4分野にまとめられます(JIDF広報より抜粋)。
1. 乳タンパク質及び酵素に関する物理化学的・生化学的研究 これらの研究は乳タンパク質、特にカゼイン及びカゼインミセルの物理化学的性格、構造変化、苦みペプタイドの生成などに関する基礎的知見のみならず、チーズ、発酵乳等の製造技術に応用可能な知見を生み出し、我が国の乳製品の品質向上に多大の貢献をしました。
2. 乳タンパク質のエピトープの特性とその低アレルギー食品への応用に関する研究及び乳アレルゲンとの相互作用から得られた腸管細胞の応答に関する研究 前者の研究により、食品業界は食品アレルギーに対して関心を持つようになり、そのことが消費者の安全を目的とした厳しいアレルギー注意表示義務、原材料の内容チェックや製造工程におけるラインの洗浄のレベルアップにつながりました。 また後者の研究は研究者を刺激し、腸管免疫に対し多くの成果を生み出すきっかけとなりました。
3. プロバイオティクス及びプレバイオティクスに関する研究 乳酸菌が整腸効果のみならず生体の免疫バランスを整え、アレルギー発症を抑制したり、生体防御に重要であることを明らかにし、そのメカニズムの解明にも大きな成果をもたらしました。この研究を通じて日本では多くの生理機能を訴求する発酵乳、乳酸菌飲料が開発され、活性の高い市場を形成することとなりました。さらにプレバイオティクスを投与することでアレルギー発症の要因とされているIgEの産生が抑制されることを明らかにされました。
4. 腸管免疫に関する基礎的研究 この研究を通して乳タンパク質等の食品と乳酸菌の経口摂取による腸管細胞におけるサイトカイン産生のメカニズムや、食物と腸管細胞のレセプターとの相互作用についての解明がなされました。高齢化社会において加齢に伴う免疫機能低下の抑制は重要な課題ですが、これらの研究は乳がその役割の一端を担う可能性を示唆するものです。

引き続いて、平成18年度に実施された6件の特定委託研究成果が報告され、活発な質疑応答が行われました。 特別講演・特定委託研究成果の演題は次の通りです。
[特別講演]
「IDF賞受賞記念講演」
日本大学 生物資源科学部 上野川 修一氏


[特定委託研究]
「トリプルラクターゼ産生乳酸菌による乳糖不耐症低減システムの構築と新機能性ヨーグルトの開発」
代表研究者・発表者:東北大学大学院 農学研究科 齋藤 忠夫氏
「乳酸菌の産生する多糖体及び乳酸菌の感染防御作用」
代表研究者:北里大学 北里生命科学研究所 山田 陽城氏
発表者:北里大学 北里生命科学研究所 永井 隆之氏
「腸管におけるIgA産生に関与する細胞群の解析と食品中IgA産生増強因子の索系の構築」
代表研究者・発表者:東京大学大学院 農学生命科学研究科 八村 敏志氏
「乳児(仔)期の栄養が発育後の味嗜好と味覚感受性に及ぼす影響」
代表研究者・発表者:東北大学大学院 農学研究科 駒井 三千夫氏
「生体内酸素利用と腸粘膜防御機構〜酸素感受性転写因子HIF-1の腸粘膜防御機構における役割」
代表研究者:慶應義塾大学 医学部 末松 誠氏
発表者:早稲田大学 先進理工学部 合田 亘人氏
「腸管への単球マイグレーションに対するプロバイオティクスの影響」
代表研究者・発表者:防衛医科大学校 内科 三浦 総一郎氏



[光岡知足東大名誉教授メチニコフ賞受賞]
報告会の後に行われた懇親会の席上、この5月にロシアのモスクワで開催された国際酪農連盟(IDF)の「発酵乳に関する地域カンファレンス−技術と栄養」において、当財団の顧問である光岡知足先生が発酵乳研究で優れた業績を挙げた科学者に贈られるメチニコフ賞を授与されたことが紹介されました。  

腸内菌叢の重要性を指摘しつつヒトの老化はなぜ起こるかの答えを求め続けたロシアの科学者メチニコフがその名著「長寿の研究−楽観論者のエッセイ」を出版したのが1908年であり、今年でちょうど100年となります。これを記念してIDFでは、フランスのパスツール研究所とISAPP(International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics)の協賛を得て今回一回限りのメチニコフ賞を設けました。メチニコフ賞は発酵乳に関して最も優れた研究業績を挙げた科学者に授与される世界最高峰の国際賞です。微生物学部門、バイオテクノロジー部門、栄養と健康部門の3部門に分けられ、それぞれの部門から1名ずつ計3名に授与されます。光岡先生は微生物学部門での受賞です。

昨年、当財団の上野川会長がIDF賞を受賞したのに引き続いて、今年光岡先生がメチニコフ賞を受賞したことは(財)糧食研究会にとって大変喜ばしいことです。
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